癒やしをくれる猫さん。
今回は、飼い猫さんではなく、ご近所の猫ちゃんたちのエピソードでほっこりしてください。
猫さん一家の悲劇(?)
10~20年位前のことです。
家にいて、気がつくと、外で猫の鳴き声がしています。普段から家の近所は多くの猫さん達のお散歩コースで、鳴き声がするのはいつものことでした。
でもその時はいつもと違っていました。なんだか必死で鳴き続け、助けを求めているようにも聞こえます。心配になってきたので様子を見に行くことにしました。
玄関を出て、鳴き声のする方へ歩いていきます。こっちかな?と近づいていくと、視線の先に猫らしいものが。「どうしたの~?」と声をかけた私が見たものは!?
・・・それは、察するに野良猫の親子。お母さんとその子猫達3~4匹がいました。近くにブロック塀に柵が合わさったものがありました。子猫のうち1匹が、そこを通ろうとしたのでしょう。ブロックと柵の間にお尻が引っかかり、戻ることもできず動けなくなっていたのです。
先に通ったらしいお母さん猫は、心配そうに見守っています。まだブロックの手前側にいるきょうだい猫達もかたずを飲んで見ています。
そこへ私が声をかけたとたん、場の空気が凍りつき、視線が私に集中。明らかに警戒しています。現在は減っているようですが、ひと昔前の当時は野良猫は多く、みな人間は敵として認識していたのでしょう。
あまりの緊張感にこちらがのまれそうでしたが、放っておけないのでやんわり話しかけながらそーっと近づきました。すると挟まっていた子は必死でもがき、私が手を出す前に、すぽーーーんと抜けることができたのです。あとは一家全員矢のようなスピードで一目散に去って行きました。
「あ……よかったね」その後猫さん一家が達者で暮らせたことを祈る…。いやー全く可愛い光景を見ました。
その後、現在も家の周りは色んな猫さんがお散歩しています。今は飼い猫さんが多いのかな。警戒心の強い野良猫の姿は見かけなくなりました。
近所のネコチャンたち
わたしは数年前に今の自宅に越してきました。家の近くには、たくさんの野良猫ちゃんたちがいます。そこは、商店街や家の裏の原っぱ、植え込みのなかなどに、たくさんのネコチャンたちが住んでいるところでした。
ネコチャンたちは「去勢済み」のサインを持っていて、誰かがきちんとお世話しているみたいです。ネコチャンのそばで座ってごはんを食べているお兄さんや、新聞を読んでるおじさん、ネコチャンに声をかけていく主婦さん、お腹を撫でている子どもたち、そしてネコチャンの姿が見えたらお店の扉を開けて迎え入れている雑貨屋さん、様々な方が大事にネコチャンを見守っていました。
わたしはそれまで、猫に限らず、犬や鳥などの動物たちに対して、あまり良い印象を持っていませんでした。子どものころ、動物の恐ろしい話を聞いたことがあり、動物に噛まれたら酷い病気になって死ぬんだと思い込んでしまった記憶があるのです。
引っ越してきて、近所の人たちがネコチャンに対して友人のように接している姿は、軽いショックでした。こんなに暢気。こんなに穏やか。猫好きな人たちの温かな姿勢は、わたしにネコチャンたちの愛し方を教えてくれました。
今では出掛けるたびにネコチャンの姿を探します。お顔を見られるとホッとします。わたしの生活は、“愛し方を知った”おかげで少し豊かになりました。
カラスなどは未だにちょっと苦手なのですが、「正しく愛するためには“それを愛している人の姿勢”を学べば良い」とわかったので、いまカラス好きの写真家さんのTwitterなどを見ています。無理して好きになる必要はないけれど、好きなものは多い方が良いですものね。
次はわたしも、誰かが“愛し方”のヒントを見つけられるような、素敵な「好きなもの」を見つけてみたいです。
強面な義父の意外な姿にほっこり
現在3人の子育て中の主婦で、12年前に夫と知り合い結婚しました。
義父は漁師をしていて頑固で気難しく、サラリーマンの実父とは真逆の男性です。怖くて難しいイメージのある義父なのですが、方言も強く、全く何を言っているのかわからないので、ますます会話ができない状態でした。声も大きく迫力があるので、怒っていなくても怒鳴っているように聞こえてしまい、何となく近寄り難い存在です。
そんな義父が可愛く見えて、ほっこりするような出来事がありました。
夫の実家は漁師町で、野良猫がたくさんいるので、帰省すると必ず猫たちに出会います。地域住民たちみんなで野良猫を見守っているような優しい雰囲気なのです。
帰省した日の夕方に子供を連れて散歩していると、義父が座り込んで何かブツブツ言っていたのでどうしたのか気になり近寄ってみると、1匹の野良猫を相手に「シロちゃん、シロちゃん」と言いながら優しく撫でていたのです。
強面の義父とは思えないような優しい声と顔で野良猫の名前を呼びながら可愛がっている姿にほっこりしました。
あとから、義父が1番可愛がっている野良猫がいると義母から教えてもらい、スマホに写真まで保存していると知り、更にほっこりしました。